マテリアリティとSDGs
2015年9月に国連で採択された「我々の世界を変革する: 持続可能な開発のための2030アジェンダ」(日本語版PDF)と、その中で掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs)」は、持続可能な社会を目指すという点でキャタラーの経営理念と関連する部分が多いと考えています。私たちが重要と考える優先課題、すなわちマテリアリティと、2030年の達成を目指すSDGsの17の目標・169のターゲットとの関係性を整理し、「社会への影響の大きさ」×「事業との関連性の強さ」という評価軸を用いてキャタラーの3つの優先課題を抽出し、取り組みを進めています。
大気汚染による
疾病件数の減少
目指す姿
主製品である自動車用排出ガス浄化触媒の販売を拡大していくことで、大気汚染による疾病件数の減少に貢献します。
具体的な取り組み
新たな価値の提供を通じて
ビジネス拡大を図る
- ・自動車用触媒の新技術・新工法開発
- ・排出ガス規制強化に伴う、既存のお客様からの受注拡大
- ・インドやASEAN(東南アジア諸国連合:タイ・インドネシア・ シンガポール・フィリピン・マレーシア)における営業強化
工場における
環境負荷の低減
キャタラーが製品を製造販売するに当たり、環境に負の影響を与える主な要因として「①二酸化炭素(CO2)の排出」「②廃棄物の発生」「③工場排水」「④貴金属の利用」の4つが挙げられます。これらの4項目に対して、環境負荷を最小化するための取り組みを進めていきます。
目指す姿
製品を製造・販売することで生じる環境負荷を最小化します。
具体的な取り組み①
二酸化炭素(CO2)の排出量削減
- ・ガスから電気式熱処理へ切替 & 再エネ活用
- ・太陽光パネル設置による太陽光発電
- ・再エネで発電された電力を電力会社より購入
太陽光発電
- SDGs ターゲット:13
- 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る。
実績と目標
- 指数
- キャタラーグループ全体の工場(※)における二酸化炭素(CO2)排出量の低減
- 2023年実 績
- (2013年比) 2.8 %減
- 2030年目 標
- (2013年比) 61 %減
- (※)2013年のCO2排出量は、45,058t/年。2030年までに、キャタラーグループ全体で61%の低減を目指します。
カーボンニュートラル(※)に
向けての取り組み
省エネ+創エネ+技術革新を組み合わせて目標達成を目指す
- ・省エネ:省エネ分科会を主体としCO2削減 2%/年 → 3%/年へ見直し実施中
- ・創エネ:太陽光発電を日本本社及びタイ工場へ導入 今後、グローバルで導入推進中
- ・技術革新:新規工法開発で大幅なCO2削減
CO2オフセット技術
- ・CO2回収触媒の開発
- ・メタネーション触媒の開発
- ・水素生成技術の開発
- (※)カーボンニュートラルとは
- 温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。2020年10月、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
詳しくはこちら(カーボンニュートラルとは - 脱炭素ポータル|環境省)
具体的な取り組み②
廃棄物の削減
- ・資料のペーパーレス化
- ・製品不良率の低減
- ・リサイクル可能な梱包材への変更
電子化されたチェックシートの活用
- SDGs ターゲット:12.5
- 2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する。
実績と目標
- 指数
- バリューチェーン(※)における廃棄物発生量(※)
- 2023年実 績( 国内拠点 )
- 触媒製品1,000個あたり
31.88 kg
- 2030年目 標( 国内拠点 )
- 触媒製品1,000個あたり
44.2 kg 以下
- 2022年実 績( 国内拠点 )
- 触媒製品1,000個あたり
37.78 kg
- 2021年実 績
- 触媒製品1,000個あたり
29.3 kg
(※)算出条件(下記条件にて、2018年度の触媒製品1,000個あたり廃棄物発生量(44.29kg/ 千個)以下を維持する。)
- ・各種触媒(自動車用、二輪車用 等)製品、材料(粉末、薬液 等)を、触媒の代表製品に換算して原単位にて算出しています。
すべての製品・材料に換算係数があり、その結果をもとに 1,000個あたりの廃棄物発生量を計算しています。
(例)触媒製品1個あたりの換算値
・自動車用排出ガス浄化触媒(1個) ・二輪車用排出ガス浄化触媒(4個) ・粉末各種(N kg)
各拠点の目標値
日本 | 株式会社キャタラー(CATALER CORPORATION)CAC | 44.2 kg/千個 以下 | |
タイ | CATALER (THAILAND) CO.,LTD / CTC | 24.5 kg/千個以下 | |
北米 | CATALER NORTH AMERICA CORPORATION / CNA | 9.6 kg/千個以下 | |
アフリカ | CATALER SOUTH AFRICA (PTY.) LTD / CSA | 25.0 kg/千個以下 | |
中国 | 科特拉(無錫) 汽車環保科技有限公司 / CCC | 4.3 kg/千個以下 | |
インドネシア | PT.CATALER INDONESIA / CIC | 10.9 kg/千個以下 | |
インド | CATALER INDIA AUTO PARTS PVT. LTD. / CIN | 23.0 kg/千個以下 |
株式会社キャタラー(CATALER CORPORATION)CAC | 44.2 kg/千個 以下 | |
CATALER (THAILAND) CO.,LTD / CTC | 24.5 kg/千個以下 | |
CATALER NORTH AMERICA CORPORATION / CNA | 9.6 kg/千個以下 | |
CATALER SOUTH AFRICA (PTY.) LTD / CSA | 25.0 kg/千個以下 | |
科特拉(無錫) 汽車環保科技有限公司 / CCC | 4.3 kg/千個以下 | |
PT.CATALER INDONESIA / CIC | 10.9 kg/千個以下 | |
CATALER INDIA AUTO PARTS PVT. LTD. / CIN | 23.0 kg/千個以下 |
具体的な取り組み③
汚水処理能力の維持・向上
- ・モニタによる排水処理施設の常時監視
- ・法定基準値より厳格な自主基準値による管理
総合排水処理施設
- SDGs ターゲット:6.3
- 2030年までに、汚染の減少、有害な化学物質や物質の投棄削減と最小限の排出、未処理の下水の割合半減、およびリサイクルと安全な再利用を世界全体で大幅に増加させることにより、水質を改善する。
実績と目標
- 指数
- バリューチェーンにおける排出水の水質※法規制値80%以下を社内基準値(目標値)の目安としています。
水素イオン指数(pH)調整
- 2023年実 績
- 7.2 ~ 7.8
- 2030年目 標
- 6.6 ~ 8.2※法規制値 5.8-8.6
浮遊物質(水中を浮遊している物質)・懸濁物質(濁りの原因物質)の排出(SS)※値
- 2023年実 績
- 1.0 mg/ ℓ 以下
- 2030年目 標
- 15 mg/ ℓ 以下※法規制値 30
- ※浮遊物質量(Suspended Solid:SS)とは、水中に浮遊又は懸濁している直径2mm以下の物質量の指標。
排水基準としては、一般的な排水基準として適用されます。
化学的酸素要求量(COD)※値
- 2023年実 績
- 3.3 mg/ ℓ 以下
- 2030年目 標
- 10 mg/ ℓ 以下※法規制値 20
- ※化学的酸素要求量(Chemical oxygen demand:COD)とは、有機物による汚れを示す重要な指標。
排水基準としては、海域及び湖沼に排出される排水に限って適用されます。
生物化学的酸素要求量(BOD)※値
- 2023年実 績
- 2.3 mg/ ℓ 以下
- 2030年目 標
- 10 mg/ ℓ 以下※法規制値 20
- ※生物化学的酸素要求量(Biochemical oxygen demand:BOD)とは、微生物によって分解されやすい有機物量の指標。
排水基準としては、一般的な排水基準として適用されます。
アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 含有値
- 2023年実 績
- 37 mg/ ℓ 以下
- 2030年目 標
- 70 mg/ ℓ 以下※法規制値 80
水素イオン指数(pH)調整
- 2022年実 績
- 7.4 ~ 7.7
浮遊物質(水中を浮遊している物質)・懸濁物質(濁りの原因物質)の排出(SS)※値
- 2022年実 績
- 1.0 mg/ ℓ 以下
化学的酸素要求量(COD)※値
- 2022年実 績
- 3.2 mg/ ℓ 以下
生物化学的酸素要求量(BOD)※値
- 2022年実 績
- 1.4 mg/ ℓ 以下
アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 含有値
- 2022年実 績
- 38 mg/ ℓ 以下
水素イオン指数(pH)調整
- 2021年実 績
- 7.3 ~ 7.8
浮遊物質(水中を浮遊している物質)・懸濁物質(濁りの原因物質)の排出(SS)※値
- 2021年実 績
- 2.2 mg/ ℓ 以下
化学的酸素要求量(COD)※値
- 2021年実 績
- 4.3 mg/ ℓ 以下
生物化学的酸素要求量(BOD)※値
- 2021年実 績
- 2.2 mg/ ℓ 以下
アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 含有値
- 2021年実 績
- 44 mg/ ℓ 以下
グループ各拠点の目標値
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ph 以上~以下 |
SS mg/L 以下 |
COD mg/L 以下 |
BOD mg/L 以下 |
アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物および硝酸化合物 mg/L以下 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
株式会社キャタラー(CATALER CORPORATION)CAC | 6.6 ~ 8.2 | 15 | 10 | 10 | 70 | |
CATALER (THAILAND) CO.,LTD / CTC | 6.0 ~ 8.5 | 75 | 300 | 150 | - | |
CATALER NORTH AMERICA CORPORATION / CNA | 6.0 ~ 9.0 | 5 | - | 100 | 100 | |
CATALER SOUTH AFRICA (PTY.) LTD / CSA | 6.5 ~ 8.5 | 20 | 50 | - | 35 | |
科特拉(無錫) 汽車環保科技有限公司 / CCC | 6.0 ~ 9.0 | 30 | 60 | 20 | 5 | |
PT.CATALER INDONESIA / CIC | 6.0 ~ 8.0 | 200 | 500 | 300 | 1 | |
CATALER INDIA AUTO PARTS PVT. LTD. / CIN | 6.5 ~ 8.5 | 10 | 50 | 10 | 10 |
具体的な取り組み④
貴金属【白金(Pt)・パラジウム(Pd)・ロジウム(Rh)】使用量の低減
- ・自動車メーカーとの協業によるエンジン性能に合わせた触媒
- SDGs ターゲット:12.2
- 2030年までに天然資源の持続可能な管理および効率的な利用を達成する。
実績と目標
- 指数
- 台あたりの白金(Pt)とパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の総使用量低減率
- 2023年実 績( キャタラーグループ )
- 2015年比
50 %低減
- 2030年目 標( キャタラーグループ )
- 2015年比
60 %以上低減
- 2022年実 績( キャタラーグループ )
- 2015年比
30 %低減
- 2021年実 績( キャタラーグループ )
- 2015年比
22.5 %低減
働きがいのある雇用の実現
目指す姿
多様な人財が生き生きと安心に働けることができ、ワークバランスが図れる職場環境を実現します。
具体的な取り組み
多様な働き方の制度や業務効率化の支援など、働き方改革活動についてはこちらをご覧ください。
- SDGs ターゲット:8.5
- 2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性および女性の、完全かつ生産的な雇用およびディーセント・ワーク、ならびに同一労働同一賃金を達成する。
実績と目標
- 指数
- 障がい者雇用率(※)
- 実 績( 国内拠点 )
- 2024年2月末時点
2.4 %
- 2030年目 標( 国内拠点 )
- 2.7 %
- 実 績( 国内拠点 )
- 2022年12月末時点
2.36 %
- 障がい者雇用率
- 2021年3月現在、障害者雇用法定雇用率は2.3%(43.5人ごとに1人以上の雇用)とする措置がとられています。
計算方法はこちらのPDF(障害者雇用のご案内:厚生労働省)よりご覧いただけます。
- 指数
- 新卒採用の女性比率
- 実 績( 国内拠点 )
- 2024年4月入社
39.0 %
- 2020-30年目 標( 国内拠点 )
- 各年 20 %以上
- 実 績( 国内拠点 )
- 2022年4月入社
22.5 %
- 指数
- 女性管理職数(※)
2022年5月目標変更
- 実 績( 国内拠点 )
- 2024年2月末時点
(2020年比) 2.5 倍
- 2030年目 標( 国内拠点 )
- (2020年比) 5 倍
- 実 績( 国内拠点 )
- 2022年12月末時点
(2020年比) 1.5 倍
- (※)キャタラーでは、管理職を(等級)M級以上と定義しています。
実績と目標
56,100,000 t
(※)算出条件(下記の条件で、上記3つの有害物質を10年間で約6.5億t浄化することを目標値に設定)