新酸素吸蔵材料 (pCP)
各国の排出ガス規制に対応するために求められている技術の1つが、窒素酸化物(NOx)の排出を低減する技術です。キャタラーでは、エンジンからの排気ガス中の酸素濃度変動域での「NOx排出挙動」に着目し、酸素濃度変動時の活性領域を拡大した「新酸素吸蔵材料」(pCP)を開発しています。
酸素濃度変動時の
活性領域を拡大した材料
従来の材料は酸素を吸蔵する速度が速く、また最大酸素吸蔵量が少ない特徴をもっていました。そのため、酸素濃度が高い排気ガスが流入した場合、貴金属周りがすぐに酸素過多となるため貴金属がすぐに酸化され、不活性状態となり、NOx浄化ができませんでした。豊田中央研究所、トヨタ自動車、キャタラーの共同で開発した新酸素吸蔵材料(pCP:persistent Ceria-Zirconia Pyrochlore type solid solution)は、酸素吸蔵能力が「遅い」ことに加え「大容量」のため、従来の材料と組み合わせることで、触媒として欲しい酸素吸蔵特性に近づけることが出来ます。そのため、長時間酸素を吸蔵することが可能となり、貴金属は酸化することなく活性状態が保持される(金属状態を保つことができる)ため、NOxを浄化できます。
Cataler News2022年5月26日
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2022年5月26日
従来材料
- ホタル石構造
-
- Ce・Zrがランダムに配列
ナノサイズの1次粒子
- Ce・Zrがランダムに配列
新酸素吸蔵材料(pCP)
- パイロクロア構造
-
- Ce・Zrが規則的に配列
ミクロンサイズの1次粒子
- Ce・Zrが規則的に配列
新酸素吸蔵材料の効果
3社共同で開発した新酸素吸蔵材料(pCP)は、酸素濃度変動域での(NOx)の排出を大幅に抑制することも可能となりました。
定説にとらわれない発想と、技術分野の壁を越えた連携で生まれた革新的な材料。
- 覆す。
- 定説にとらわれない発想と、技術分野の壁を越えた連携で生まれた革新的な材料。