2024.01.08
経営・事業
2024年 社長年頭挨拶
元旦夕方に発生致しました、能登を震源とする「令和6年能登半島地震」にて、先ずは被害に合われた皆様には謹んでお見舞いを申し上げます。一日も早く復旧されますよう、お祈り申し上げます。
本朝、本社(静岡・掛川)にて行われました、社長 石田雅資 による「2024年年頭挨拶」を下記の通りご報告致します。
あけましておめでとうございます。
今回の連休は、残念ながら能登半島の大地震や羽田の航空機事故など安全・安心、防災について深く考えさせられた年始となりました。能登半島の映像を見るたびに、何よりも命の大切さを感じます。また、羽田の事故は、何重ものフェールセーフを実施していても大事故は発生するんだと、私達の安全・安心への取り組みへの大きな警笛を鳴らされたと感じています。
今一度、安全・安心、防災について全員で考えて行きましょう。
今年もエネルギー費の高騰や為替変動など先行き不透明な状況は変わりありません。
皆さんと作り上げてきたグローバルビジョン2035のリリースと共に、明るく実りあるこれからの50年間に向けた"スタート”の1年にしたいと考えています。
私達を取り巻く多くの変化に対応すべく、何事も巧遅拙速(※)で取り組んでいきましょう。
(2023年振り返り)
まずは、皆さんの頑張りに感謝しながら昨年を振り返ってみましょう。
年初は、トヨタ自動車から『技術開発賞』・『品質優秀賞』・『プロジェクト表彰 技術の部』を受賞、ダイハツ、ヤマハ発動機から『品質優秀賞』をいただきました。
また、海外事業体も各地でお客様から表彰を受け、「技術のキャタラー」「品質のキャタラー」として評価いただき大きな励みになりました。特に、技術の分野においては、貴金属量の低減と性能向上を両立させた触媒開発を行い、それを支える解析技術も大きく飛躍し外部機関から表彰をいただくようになりました。
▼受賞歴
https://cataler.co.jp/company/prizes/
これらは、地道に目の前の仕事をコツコツと積み上げてきて頂いた賜物であり、改めて皆さん、一人ひとりの努力に感謝申し上げたいと思います。
また、海外に目を向けると、5月に北米キャタラーでミシガンテクニカルセンターが海外初の営業所兼開発拠点として開所しました。そして7月には、インドにグルグラム事務所を新設して、新たな市場・新たなお客様の獲得による拡販を開始しました。
生産面では、半導体不足からの回復による強いデマンドに対応する為、皆様にはフレキシブルかつ迅速に対応いただきました。直近では、四輪触媒グローバル生産累計5億個、二輪・汎用触媒グローバル生産累計1億個 達成を記念して、生産に携わっている皆さんとお祝いをしました。
これからもグループ一丸となって、地球環境保全に貢献する製品を提供し続けたいと思います。
最後に、2023年3月度の連結決算は減益ながらも高収益を上げることができました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。今後も更なる収益改善活動への協力をお願いいたします。
(新ビジョン・来年度会社方針について)
グローバルビジョン2035と、2024年度のグローバル会社方針については、12月の経営課題検討会で協議し、6項目の重点実施事項と推進担当役員を決定しました。
また、新たに方針管理体系に本部方針を織り込み、本部の組織能力を高めます。本部長の想いをメンバーに伝えてもらうことで本部の目標の明確化と本部間で横串を指した活動になるように期待しています。
収益面では、足元の既存事業で未来の原資を稼ぐためにも、引き続き原価低減や業務改廃による効率化に加えて、今年からは損益分岐個数を指標にした固定費削減を全員参加で「聖域なき収益改善活動」の推進をお願いします。
(2024年取り組み)
昨今は日本企業も一人では戦えない時代です。社会課題への貢献と幅広い価値創造・イノベーションを通じて実現するための活動を今年から本格化します。
その第1弾として、東京にオフィスを構えて、キャタラーからの技術・製品に関する情報発信や新規ビジネスの情報取りを行えるようにします。また、新たな領域へチャレンジしていくために、外部相談先を活用し、積極的に仲間づくりを行い共創活動を通じてイノベーションを実現できるようにしていきます。
組織改編につきましては、コーポレート戦略・新規ビジネス企画・カーボンニュートラルの事業企画・TQMを統合し「コーポレート戦略本部」を設置し、会社運営・事業戦略企画に関わる機能の最適化を行います。
そして、生産技術本部と製造本部を統合し「機能製造本部」を設置し、「モノづくり」を抜本的に改革します。さらには内部統制強化の一環として、各機能から独立した監査機能組織として内部監査室を設けます。
これらの新設した組織に対する関係部署の皆さんの理解とサポートをお願いします。
▼組織(2024年1月1日付)
https://www.cataler.co.jp/company/structure/
(最後に)
昨年末にキャタラーの景色を変える第一弾としてお客様と当社の若手技術者の交流会を開催し、大変活発な意見交換ができました。やらされ感の蔓延、上下左右のコミュニケーション不足、縦横の連携不足から、言いたいことが言えない環境に置かれているメンバーが勇気を出して発言をしてくれました。
着任当初から「本音を言えない組織構造」に疑問を持っていた私としては、この交流会は大きな第一歩だったと思います。
「人を使うには、使われる人が考えを言えるようにしてやることだ」という、豊田佐吉の格言がありますが、皆さんが自由に意見を言える環境を整えることで、能力を最大限に発揮でき、会社の成長に貢献できると思います。
今年も皆さんが、安全・健康に、そして、明るく楽しく前向きに課題に取り組み、家族共々実り多い良い年になりますことを祈念しまして私の年頭の挨拶とします。
(※)巧遅拙速とは
中国の兵法書「孫子」の「拙速(せっそく)は巧遅(こうち)に勝る」という格言が語源。
拙速とは、つたなくても速いことであり、巧遅とはたくみでも遅いこと意味。
つまり、いくら上手でも遅いよりは、たとえ下手でも速いほうがよいということ。