2022.05.26
テクノロジー 表彰
奥田 卓也 第72回自動車技術会賞 『論文賞』受賞
2022年5月26日、公益社団法人自動車技術会「第72回 自動車技術会賞(※) 授賞式」が行われ、当社研究開発本部の奥田卓也(基盤技術開発部)が執筆した「高耐熱性パイロクロア型CeO2-ZrO2酸素吸蔵材料の実用化と高機能化」が論文賞(※)を受賞。(写真は共同研究開発者である豊田中央研究所、トヨタ自動車の代表者)
パイロクロア型CeO2-ZrO2材料の技術が自動車分野の発展に寄与すると高く評価され、キャタラーでは初の論文賞受賞となりました。
▽受賞理由
高効率エンジンや電動化車両の開発、世界的な自動車排気規制強化が加速する中、三元触媒にはより高効率な浄化機能が必要とされる。三元触媒の性能を最大限に活用するには排気ガス中の雰囲気を理論空燃比に調整する酸素吸蔵材料が必須である。
筆者らは従来よりも「遅く・高容量」な酸素吸蔵特性を特徴とするパイロクロア構造CeO2-ZrO2に着目し、本材料の開発とそれを用いた触媒の実用化に取り組んだ。特に、課題であった高温耐熱性(準安定相の結晶構造に由来)、低温域での性能、ガス雰囲気に対する応答性の向上を3世代に渡って改良することで、適応車種を拡大し、環境負荷の低い車両をグローバルに展開させることに貢献した。
また、高性能化の恩恵として貴金属使用量を低減させることに貢献した点も高く評価される。
(自動車技術会 HPより引用)
▶ パイロクロア型CeO2-ZrO2材料 受賞業績ポスター(PDF)
各国の排出ガス規制に対応するために求められている技術の1つが、窒素酸化物(NOx)の排出を低減する技術です。キャタラーでは、エンジンからの排気ガス中の酸素濃度変動域での「NOx排出挙動」に着目し、酸素濃度変動時の活性領域を拡大した「新酸素吸蔵材料」(pCP)を開発しています。
▶ 受賞歴|企業情報
半世紀以上にわたり、グローバル規模で環境問題の解決に取り組んできたキャタラー。自動車用排出ガス浄化触媒など多様な製品の研究開発をはじめ、良品の安定供給を実現する品質管理、製品・サービス・仕事などの課題に対する改善活動など、幅広い分野で高い評価をいただいています。
※自動車技術会賞
1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展を奨励することを目的として設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績に対し贈呈される賞
※論文賞
自動車技術会の論文集に掲載された論文の中から厳正な審査を経て選出された優秀な論文に与えられる賞