グローバル
生産管理システム
(G-CPS)
キャタラーグループの生産システムを統一して最適なものづくりを目指す「グローバル生産管理システム」です。キャタラーの経営戦略を実現するためのIT戦略「i - Cataler2022」 (※) の一環として企画されました。 業務標準化・在庫最適化・生産性向上・省人化・グローバル最適生産化による収益最大化・グローバルでの生産継続のためのリスク管理・有事対応の役割を担っています。
※i-Cataler 2022
世界8拠点のシステムを統一して情報を集約し、最適なものづくりを行うためのIT戦略プロジェクト。見える化による品質・生産性の維持向上を目指した「i-Factory」と、グローバル最適生産を実現するための生産管理システム:「G-CPS」で構成されます。
※ i-Factory
IoTなどの活用によって、キャタラーグループのすべての生産拠点で品質と生産状況をリアルタイムで見える化し、迅速なPDCAを回すことで品質・生産性の向上を目指すシステム。
基幹システムを
クラウド環境で実現
今までの常識にとらわれず、「収益最大化」と「リスク管理」の視点で検討した結果、基幹システムをクラウド環境で運営することを決定しました。
生産(お客様への製品供給)に関するBCP(事業継続計画)
基幹システムをクラウド環境で運営することで、各拠点にG-CPSのインフラを持つ必要がなくなります。また、社内にデータを持たず、データのバックアップやハード更新といったデータセンター運用から解放されることで、コスト削減だけでなく、運用負担が軽減されます。さらに、不測の事態が発生した際も短時間でデータセンターの切り替えが可能なことから、BCPの観点からもオンプレミス(※)よりも、クラウド環境の方が優位性があると判断しました。
※オンプレミス
自社内に設備(ハードウェア)を設置して、自社で保有するシステムの運用を行うこと
グローバル生産管理システム
(G-CPS) の役割
G-CPSはi-Cataler 2020のグローバル最適生産を実現するために企画され、「業務標準化」「在庫最適化」「生産性向上」「省人化」の役割を担っています。
- 業務標準化
- これまで、個人の裁量が大きかった生産計画作業・物流管理・製造実績管理の作業がG-CPS により標準化され、誰でも高いレベルでの業務遂行が実現しました。
また、管理者が状況を把握することが容易になり、管理レベル向上につながっています。
- 在庫最適化
- 製品、材料の現在の在庫だけでなく、未来の在庫も見渡せるようになることで、将来の生産計画や材料の購入計画を早期かつ的確に把握可能になりました。
また、在庫の見える化により、適切な在庫を維持できているか判断が可能になりました。
- 生産性向上
- 生産の指示は単純に必要なものをつくるだけでなく、材料の有無や段取りの有無など複合的な要素を基に決められます。G-CPSはそれらを考慮するための仕組みを保有しているため、担当者はシステムで支援された情報をもとに最適な生産順序を決めることができ、生産性向上につながっています。
- 省人化(※)
- これまでは「同じデータを複数の場所で管理する」「紙で管理していたものを電子化するためのデータ入力」などの無駄が発生していましたが、G-CPSでデータを一元管理することにより、データ管理に必要な工数を大幅に削減できました。また、i-Factoryとの連携により、設備から直接リアルタイムな生産状況データを取得することで、現場のデータ管理工数が削減され、省人化につながっています。
※省人化…労働に携わる人員を作業や設備、工程の改善などによって削減すること。
- グローバルでの最適生産化
- お客様の要望に応えながら、コストダウンと収益性向上を実現するためには、各拠点で相互に能力を補完するフレキシブルな生産体制が必要です。 G-CPS をグローバルで導入することで、各拠点が同じデータで議論することが可能になり生産効率の向上を実現します。
今後の計画
近年IoT(IoT:Internet of Things:モノのインターネット)が注目される中、キャタラーでは、生産性向上や品質向上を目的に人の動きや工場の生産・在庫状況、設備状況の可視化によるデータの収集・活用が始まっています。
今後、G-CPSを中心にグローバルで新たな試みが活発に行われる組織を実現していきます。