Exhibition 2018
ディーゼル車用触媒技術
Catalysts for DPF
Exhibition 2018
ディーゼル微粒子捕集フィルター(以下:DPF)の、排出ガス流入側セル壁表面に、メッシュ状の触媒層(以下:Meshwork Catalyst)を形成させるDPF 向け触媒技術を開発。
Meshwork Catalyst によりPM 捕集性が改善し、従来の触媒よりも排出微粒子の粒子数(PN)の排出を68% 低減させることを実現しました。
ディーゼルエンジンから排出される物質の一つに粒子状物質(Particulate Matter:PM)があります。
PM は窒素酸化物(NOx)と共に、ディーゼルエンジンからの排出ガス規制の対象物質とされています。
パティキュレートが大気汚染の一因とされる理由は、呼吸器に対する障害、アレルギーあるいは発癌性が疑われているためです。
ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を濾過して取り除くためのフィルター装置です。
DPFは排出ガス中のPMを基材壁の細かい細孔構造で捕集します。そして、DPFに捕集されたPMは時間と共にDPF細孔内に堆積されます。そのため、定期的にDPFに堆積したPMを高温で燃やして取り除くDPF再生という処理が必要となるのです。
DPF再生時に、より低温かつ、短時間でPMを燃やすため、DPFへの触媒のコーティングが検討されています。
当社が開発したDPF 向け触媒技術(Meshwork Catalyst)は、約560 ~ 570 度という温度域で、従来のDPF向け触媒に比べPMを多く燃焼させることに成功しました。
前述のとおり、ディーゼルエンジンの排ガス浄化システムにおいて、PMを捕集可能なディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPF)は必須となっています。
DPF担体の壁面は、細かい穴の空いた構造(多孔質)になっており、セルの壁内でPMを濾過することでDPF内にPMを捕集しています。
DPF 再生(※)時に、捕集したPMの燃焼を促進するためにDPFのセル壁の細孔内に触媒成分をコートしています(従来技術 図1)。
近年、ディーゼルエンジンから排出される、粒子状物質(PM)による大気汚染が深刻化されています。
地球の環境保全だけでなく、人体にも悪影響を与える物質といわれており、ヨーロッパをはじめ、各国でこれまで以上に厳しいPM排出量低減規制が施行されています。
このような中、当社では、DPFのガス流入側のセル壁表面に、特徴的な細孔構造を持つメッシュ状の触媒層(Meshwork Catalyst)を形成させ、PMの燃焼力を向上させるDPF向け触媒技術を開発しました。(開発技術 図2)。
メッシュ状の触媒層とすることでガス透過性の高い触媒層をセル壁表面に形成することができ、圧力損失への影響を小さく抑えながら、PMの捕集機能を向上させることができました。また、触媒層がセル壁表面にあるため、触媒とPM が近接化し、PMの燃焼性も向上させることが可能になりました。
(※)DPF再生とは
DPFのフィルタに一定量のPMが堆積した際、フィルタの目詰まりを防止するため、強制的に燃料噴射して排ガス温度を上昇させてフィルターを高温状態に保ち、付着したPMを焼き払ってフィルターを綺麗にする仕組みのこと。
従来のDPF触媒と比べて、Meshwork Catalystは、PM堆積時の圧力損失が低く抑えられるため、圧力損失値をしきい値としてPM捕集-再生処理のサイクルを1000時間繰り返した場合、従来触媒と比較して7%の燃料使用量を低減できる試算。
従来のDPF触媒と比べて、Meshwork Catalystは、PN(Particulate Number/ PMの粒子数)を68%低減できる。
※「Meshwork Catalyst」は技術名称であり、商品名称ではございません。