暮らし
働きバチはすべてオスである
A:すべてオス
B:すべてメス
C:オス・メス両方いる
- B:すべてメス
- 普段私たちが目にするハチやアリは、ほとんどが働きバチ・働きアリですが、実はすべてメスです。意外に思うかもしれませんが、これにはハチやアリの特殊な性決定の仕組みがかかわっています。
ハチやアリの特殊な性決定の仕組とは
実は、オスバチは未受精卵から生まれてきます。
半数体といって、遺伝子(の乗っている染色体)を半分しか持っていません。生まれてくるオスバチは遺伝子の全てを母親である女王バチから受け継いでいるため、一種の単為生殖と考えていいでしょう。これに対して、受精卵から生まれるのがメスです。メスバチには父親がいますが、オスバチには父親がいません。
受精させない半数体がオスになり、受精させた二倍体がメスになるこのような性決定の仕組みを、半倍数性といいます。オスバチは次の世代に遺伝子を残すためだけに生まれ、巣作りや子育て、えさの調達や巣の警備など、全ての作業はメスの働きバチにより行われます。私たち哺乳類とは性別の定義が違うようなものなので、働きバチがすべてメスとはいっても、その意味は少し異なるともいえます。
ちなみに、子供を産むのは女王バチのみです。一度女王バチとなったハチはひたすら産卵に専念し、働きバチになったものは一生子どもを残すことなく給仕に専念します。ハチは、一つの巣の中で役割分担をすることで有名な社会的昆虫なのです。