キャタライナー化学Q&A

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環境

燃料電池自動車の燃料となる「水素」は何からつくられているでしょうか?

A:水
B:天然ガス
C:バイオマス(廃材など)

キャラクター

すべて正解です。
水素は、「水の電気分解」「天然ガスなどの化石燃料、またはバイオマスの水蒸気改質」によってつくられます。
さまざまな資源からつくることができ、利用時には二酸化炭素(CO₂)を排出しないため、水素は世界各国で次世代のエネルギー源として期待されています。

水の電気分解とは

水の電気分解

中学校の理科で行う4大分解シリーズの一つが「水の電気分解(electrolysis)」です。
覚えていますか?
「水の電気分解」とは、水に電圧をかけることにより起こる水の酸化還元反応のことをいいます。
この時、陰極(-)で還元反応が起こり水素が、陽極(+)で酸化反応が起こり酸素が発生します。

・電解液(水酸化ナトリウム水溶液)の中では、水(H₂O)と水酸化物イオン(OH-)が存在しています。
 2H₂O + 2e- → H₂↑ + 2OH-

・この電解液の中に入れられた電極に電圧をかけると、陰極(-)では水に電子が与えられ、還元が起こり、水素が発生します。
 2H+ + 2e- → H₂↑

・陽極(+)では、水酸化物イオンから電子が奪われ、酸化が起こり、酸素と水が生成されます。
 2OH- → H₂O + 1/2O2↑ + 2e-

水の電気分解と燃料電池の発電

燃料電池の発電

水の電気分解では、水に電圧を加える事で、水素と酸素に分解しています。それに対して、燃料電池は水素と酸素を反応させ、その過程で電力を発生させています。
燃料電池車(水素自動車)の走る仕組みについては、こちらをご覧ください。

バイオマスとは

バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、一般的には「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」をバイオマスと呼びます。
バイオマスは大きく3つの種類に分類されます。

 1. 廃棄物系バイオマス(廃棄される紙、家畜排せつ物、食品廃棄物、建設発生木材、製材工場残材、下水汚泥等)
 2. 未利用バイオマス(稲わら・麦わら・もみ殻等)
 3. 資源作物(エネルギーや製品の製造を目的に栽培される植物 / さとうきびやトウモロコシ)

バイオマスから得られるエネルギーのことをバイオエネルギー、またはバイオマスエネルギーとも言います。バイオマスを燃焼することなどにより放出されるCO₂は、生物の成長過程で光合成により大気中から吸収したCO₂であり、化石資源由来のエネルギーや製品をバイオマスで代替することにより、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスのひとつであるCO₂の排出削減に大きく貢献することができます。

水蒸気改質とは

水蒸気改質(Steam Reforming)は炭化水素や石炭から水蒸気を用いて水素を製造する方法である。水蒸気変成(Steam Reforming)や、水素改質(Hydrogen Reforming)、接触酸化(Catalytic Oxidation)とも呼ばれ、工業的には主要な水素製造法です。
※専門性が高いため詳しい内容は割愛します。気になる方は、 Wikipediaをチェック!

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