新酸素吸蔵材料

新酸素吸蔵材料(pCP)

受賞

受賞

酸素濃度変動時の活性領域を拡大し、窒素酸化物の排出を抑制する新材料

新酸素吸蔵材料の開発背景

新酸素吸蔵材料の開発背景新酸素吸蔵材料の開発背景

CeO2-ZrO2固溶体(CZ)は、自動車用3way(三元)触媒において、変動する排気の雰囲気を調整します。
浄化活性においては、特に窒素酸化物(NOx)の還元活性を保持する機能、酸素貯蔵能(OSC)を持っています。
近年、厳しさを増す“排ガス規制”への対応のため、NOxの排出を低減する技術が求められおり、当社では、排出ガス中の、酸素濃度変動域での「NOx排出挙動」に着目し、従来材料より“酸素濃度変動時の活性領域を拡大する”ことを目指し、酸素濃度変動時の活性領域を拡大した材料「新酸素吸蔵材料」(=pCP)の開発に成功しました。
この技術は、2015年3月、豊田中央研究所、トヨタ自動車、当社の共同で、日本化学会化学技術賞を受賞しました。

酸素濃度変動時の活性領域を拡大した材料

従来材料を使用した触媒では、酸素(O2)の吸蔵能力が低いため、吸蔵能力以上の過剰な酸素が流入した際、貴金属が酸化されます。酸化した貴金属は、不活性状態となるため窒素酸化物(NOx)が浄化できませんでした。
この従来材料に対し、当社が開発した「新酸素吸蔵材料」は、酸素吸蔵能力が“遅く、大容量” であるため、過剰な酸素を吸蔵することができます。つまり、貴金属が金属状態のまま保つことができ、活性状態が保持されるため、NOx を浄化することができます。

吸蔵速度についてに特化吸蔵速度についてに特化

ホタル石構造

ホタル石構造ホタル石構造

パイロクロア構造

パイロクロア構造パイロクロア構造

新酸素吸蔵材料の効果

新酸素吸蔵材料の効果新酸素吸蔵材料の効果

当社が開発した新酸素吸蔵材料は、従来材料に比べ“酸素吸蔵特性”が「遅い」ことに加えて「大容量」のため、従来材料に比べて開発材料の方が、触媒として欲しい“酸素吸蔵特性”により近づけることができます。したがって、酸素濃度変動域での「NOx」の排出を大幅に抑制することも可能となりました。